逃亡提督の第8話

メインストーリー最新作、part12です
キャンピングカーを覗いていた軽巡長良型の6人。
近くの茂みに隠れて様子を窺うも…キャンピングカーと同時に別の所から出てきた車の動きに怪しさを感じ、2手に別れて追い掛ける事に。
三部篇の最終篇、今回は、白い車を追い掛けた側(五十鈴、名取、鬼怒)の名取の視点です。
長良達はダメでしたが…五十鈴達は…果たして…?

pixiv版

https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=11725844


ブロロロロロ…

五十鈴「止まれ…信号に止まれ…良し、止まった!!」

名取「ちょっと…五十鈴ちゃん…。」

五十鈴「あっ…ごめん…。」

あの後、私達はタクシーを直ぐに捕まえ、乗り込む事に成功。
それが幸いしてからか、目的の白い車を追う事が出来た。
今…こうして…信号で足止めをくらって、様子見という感じの状態。

鬼怒「あの中に黒崎提督が居れば良いね…。」

五十鈴「そうね…。」

名取「ただ…車を運転している人が何処かに駐車しないと…調べる事も出来ないから…。」

鬼怒・五十鈴「「…確かに…。」」

私の一言で、二人が共鳴して同じ答えを言った。
むしろ、止まってくれなければ何時までもこの状況は変わらないのだ。
出来ればどこかに…止まってくれれば…。

五十鈴「あっ、右折…運転手さんお願い!」

タクシー運転手「はい。」



鬼怒「次…左、お願いします!」

タクシー運転手「はい。」



五十鈴「あっ…信号が…急いでください!!」

タクシー運転手「分かりました。」


と…未だにその車は止まる気配を見せない…
よく見ると…タクシーの料金も…かなりの金額に…。

その時だった…。

五十鈴「ん? あの車…あっ、あのコンビニに停まるわ!! 運転手さん、あのコンビニで降ろして下さい!!」

タクシー運転手「分かりました。」

と、まさかのあの車がコンビニで停まったのだ。
まさかの出来事に五十鈴ちゃんは大喜びしていた。

そして、タクシーの料金を支払い、タクシーから出てその目的の車へと向かう。

すると…運転席から女性が現れた…。
女性の姿は、背が高くスラリとした体型で綺麗な女性であった。

女性「あの…何か用が有るんですか?」

何と、女性から話し掛けてきた。
どうやら、女性は少し苛立っている感じ…やはり追跡されていたのはバレていたようだ…。
話を聞いていくと…。

女性「ずっと…追い掛けられてたから…何とかして撒いてやろうと試行錯誤したけど…もう無理だったので…ここに停めて、文句を言いたかったんですよ。」

と…どうやら…私達を撒くためにずっと、車を動かしていた用だ…
そう考えると…この人に取ってはストレスでしか無い訳だ…。

女性「何か用事があるなら…早くして欲しいのですが…。」

と女性は苛立って口調で私達に言う…。
この様子に…私達は焦り、事情を説明して車の中を調べる事にした。
女性は渋々了承してくれた…。

こうして…車の中の散策が始まった…。

だが…

名取「五十鈴ちゃん…トランクの中は…?」

五十鈴「ダメ、いないわ…。」

鬼怒「ゴメン…こっちも見当たらない…。」

まさかの不発に終わった…
中に人の気配は全く見当たらなかった…。
この結果を女性に報告すると…女性は呆れた様子で…。

女性「はぁ…勘弁してほしいわ…。」

この様子に

五十鈴・名取・鬼怒「「「申し訳ございません!!」」」

私達は謝罪した…。

すると…女性は…「もう良いよ」と言って…。
コンビニの店内へと行ってしまった。

まさかの結果に私達は落胆しか無い…。

こんだけやって…黒崎提督の姿はおろか…痕跡すらも見つからないなんて…。

五十鈴ちゃんは、この結果を長良ちゃんに報告、スマホで連絡をした。

五十鈴「あっ、長良姉!?」

長良『どうしたの、五十鈴?』

五十鈴「あのさ…長良姉達は…どうだったの?」

長良『えっ?』

五十鈴「車…キャンピングカーの方…。」

長良ちゃんの答えは…

長良『…ゴメン…ダメだった…。』

どうやら…見当違いだったようだ…。
その結果を聞いて…私達は何と言えば良いのか…どうしようも出来ない状況だった。
ただ…暫くして…五十鈴ちゃんは…

五十鈴「実はさ…私達も…。」

長良『そう…なんだ…。』

五十鈴「私達…これからどうする…?」

長良『私の責任だから…一旦、鎮守府に帰って、この事を葉山提督には報告して謝ろう。』

五十鈴「そう…だね…。」

長良『それよりもさ、皆でご飯でも食べようよ。 今回の責任を取って私が奢るからさ。』

五十鈴「うん…分かった…。」

と、その後…。
長良ちゃんは指定したお店を伝えて、最終的に電話を切った、私達は失墜や脱力感を抱えたまま帰ることにした…。
そして、改めて駐車場を確認すると…。

五十鈴「ありゃ…もういないや…。」

電話している間に、あの白い車はもう居なくなっていた…。

名取「五十鈴ちゃん、取り敢えずご飯食べに行こうよ。 葉山提督の報告はこれからにしよう。」

五十鈴「そうね…。」

流石の五十鈴ちゃんも責任を大きく感じて、悄気てしまった。

鬼怒「でもさ…あの女の人…。 どこかで見たこと有るよね…。」

鬼怒ちゃんがあの女の人を見たことあると言ってきた。
これに関しては私達も同感だった、明らかに初めて見たという事では無い…だが…どういうので見たのかは思い出せない…。

鬼怒「もしかしたら…有名人とかだったら…。 大変な事に…なるよね…。 あまり考えたくは無いけど…。」

五十鈴「ちょっと、止めてよ!! でも…否定は出来ないわ…。」

と、こんなやり取りしながら私達は帰る事にした…。








































































































??「馬鹿な奴らだ…。 作戦に上手く引っ掛かった…。」