逃亡提督 サイドストーリー第三弾の
「間宮&伊良湖」篇

第12話です
上手く行かない現状に苛立つ艦娘達、
そんな様子を見て、嘲笑う二人…。
黒崎や鳳翔が今まで、上手く行くように影で支えていたのを無下にした愚かな連中。
そして…その苛立ちが遂に…葉山へと向けられますが…

今回も間宮視点ですが、間宮は様子を影から見ています。
ギャーギャー!!

霧島「何でこんな指示を送るんですか!!」

摩耶「アタシ、この前なんか、深海の奴等に馬鹿にされたぞ!! お前の指示のせいだろ!!」

大井「こんな作戦しか出せないなんて…何でこんな…!!」

私は執務室の外で、何人かの艦娘が葉山提督に対して不満をぶつけていた。

正直、ガタガタ騒いでる様子を聞いて、もはやバカの象徴としか言えなかった。

それを彼にぶつけても自分達の実力の無さに気づけないなんてどの口が言うのか?

轟沈しないだけまだマシと思って欲しい。

大井「ホント、こんな提督よりも…黒崎提督の作戦の方が良かったわ…。」

あ…。

長門「本当だな…何で本部はこんなのを…!! 黒崎提督なら…あんな指示は無かった筈なのに…。」

満潮「ホント…何でこんな奴の指示を…。」

うわー…最悪な事を言ったよこの人達…
思っててもこんな事は言って良い訳は無いでしょ…。
と思った矢先…

バァン!!

と、強い音が執務室からした。
その直後…

葉山「黒崎提督の指示が良い…? 黒崎提督なら上手くいった…? 何を言ってるの? そういうのは確かに事実だが、それを言うって事は…何を意味するのか分かってるのか?」

長門「何を意味…? そんなのは…提督であるお前の…『それだけじゃない。』…何?」

葉山「こんな事態になったのは"誰が"原因なのかだ…。 黒崎提督を追い詰めたのは誰なのか…?」

「…!!」

と、明らかに声だけでも怒ってる様子が分かった…。

葉山「いい加減にしろ!!!!💢 こんなに上手く行かなくなった事よりも!!!💢 今まで何で上手く行ってたのかをまずは考えろ!!!💢 今まで上手く行ってたのは、君達の実力か!!!?💢 あぁ!?💢」

「…。」

葉山「答えろ!!!!💢」

「…!」ビクッ!! フルフル…

葉山「そうだろうな、横に振った事は正解だ。 じゃあ誰のお陰なのか、分かるのか? 言ってみろ? 長門ォ!!!」

長門「…!! く、黒崎提督の指示と作戦…です…。」

葉山「それだけじゃないだろ? 後、数人いた筈だ? 言ってみろ? 大井ィ!!!!」

大井「…補給艦の二人と…[鳳翔]さん…です…。」

葉山「そうだ、正解だ!!! じゃあ、その4人をめちゃくちゃにしたのは…誰だ? 僕か? 僕がやったのか!?💢」

霧島「…い、いえ…ち、違います…!!」

葉山「じゃあ、誰だ!?💢」

霧島「…私達…艦娘です…。」

葉山「そうだよな? なのにさ、何? 黒崎提督の作戦が良かった? 黒崎提督の方が良かった? 黒崎提督じゃなきゃ嫌だ? 甘えんのもいい加減しろ!!!!!💢 その黒崎提督を壊したのは一体誰だ!!!!?💢💢💢」

「…。」

葉山「良いか、これから"黒崎提督が良かったとかそう言う奴は[艦娘]を辞めてもらう!!! 僕の作戦や指示に問題があるなら、僕に直接言え、その場合、黒崎提督ならこうしたとかそう言うなら構わん!!! 僕があの人の能力に近づけるように導いてくれるなら幾らでも言え!!!」

「…。」

葉山「[艦娘]を辞めたら…黒崎提督に二度と会えなくなる事を良く理解しな。 君達が街で黒崎提督を探せるのは君達が"軍の関係者"である[艦娘]だからだ、警察もある程度は協力してくれてる。」

「…。」

葉山「もし、それ無しで彼に近づけばどうなる? 彼は拒絶して警察に連絡するだろうな? そうなれば、[艦娘]を辞めた者はもう"軍の関係者"じゃないただの"一般人"だ、[元艦娘]だと喚いても、"軍の関係者"じゃないんだ。 そうなれば…もう、即刻刑務所行きだ…。 分かってるか?」

「…。」ガタガタ…

葉山「本来なら、君達は全員警察に連行されても文句は言えないんだぞ。 だがな、情状酌量でただの解雇だけで済む問題になってるんだし。 それに、会って謝罪する為のチャンスまで貰ってるんだ、そこは理解しろよ。」

「…。」

葉山「言ったことが難しかったか? なら、簡単に纏める。 [艦娘]でいれば[黒崎提督]に会えるチャンスは有る、[艦娘]を辞めれば[黒崎提督]に会えるチャンスは無い。 そういう事だ良く理解しろ。」

「…。」

激しい怒りをぶちまけた葉山提督…
意外や意外、こんな正論且つまともな言葉を送るとは思わなかった。

そしてその直ぐ後に、出てきた艦娘達は、少しばかり暗い表情や思い悩むような表情を浮かべていた。

ま、仕方無しですよね、不満を語る資格は無いですからあの連中は。